ゆう子は自分が口を滑らせたと分かり、すぐに「ごめんなさい」と言う。
「トキは女で泣いていた俺を助けたのか。それでおまえを連れてきたのか。今、おまえがここにいるのは、おまえの意思じゃないのか」
「ごめんなさい。違う。違うね。ごめんなさい」
 さかんに謝るゆう子だが、友哉はいつものようにすぐに怒気を収めなかった。怒鳴りもしないし、手も上げないが、瞬きもせずに部屋の一点を見ていた。冷静なまま怒るいつもの彼だった。