涼子にも見えたようだが、利恵は成田の出来事はあまり知らないから、敢えて名前を出す必要はない。
「だから、なーに? もう一軒」
「うん。行こうか。ゆう子曰く、赤くうっすらと光る時は悪意がまとわりついている時」
「あら、それは友哉さん」
「相変らず酔うと面白いな」
 友哉はそう笑いながら利恵の右腕の時計を掴んだ。