彼は恋愛には謎があった。あっけらかんと性癖を口にするが、引き出しが多いから自信があるのだろうとゆう子は考えていた。
 だが、ゆう子にはそんな謎めいた男が必要で、いや夢で、それもまた親の影響だった。会社が終わると真っすぐ家に帰ってくる父。その父をバカにして愛人の男のところに行く母。二人とも、すでに亡くなっているが、友哉のような利発で謎めいた男が、母に自慢でき、父を忘れさせてくれるまさに英雄だった。
lineもう少し女に強気だったら、お父さんとは正反対でいいのにな。