「そう。俺は聖地を見てきた。愛と耽美に生きていればいいんだって世界を見た。何度も見たよ。女に裏切られる度に、女よりも道端の花の方が綺麗に見えるんだ。そこが聖地の一部さ」
 ゆう子は背筋を震わせた。鮮明に頭の中に浮かぶその光景。人に裏切られた時に見た足元の美しい花。タンポポだろうか。
 今のゆう子は、涙が零れないように必死に耐えるしかない。
line泣くと、友哉さんは、わたしを心配して、また強がる。そしてまた疲れてしまう。
 そう思うからだった。