それを聞いたゆう子が、
「ありがとうございます。十分です」
と礼を言い、頬をいつものように朱色に染めた。
「すごい。空手ですか。僕を弟子にしてくれませんか。銃の腕前も超一流。僕の膝は静脈も神経も外していて、少し出血しただけだった。まるで凄腕の諜報員です」
 伊藤大輔が友哉に歩み寄って、手を握ろうとする。友哉は、「やめてくれよ」と言ってそれを拒んだ。