「削除dots。あの野郎。律子のことも削除しろよ」
 友哉はイライラして左手の爪を噛んだ。そして鼻もよく触っていた。
「先生、質問が二つあります」
 ゆう子が手を挙げた。友哉が首を傾げていると、
「鼻をさかんに触るのはなぜ? そしてそのお洒落なレザーの鞄をどうして選んだのか。以上」
と言った。友哉が座っている椅子の横の椅子に置いてある赤紫と白の二色になっているブランドの鞄を彼女はじっと見ていた。友哉がサングラスを外すと、彼女はすぐに視線を移動させた。もちろん、鞄から友哉に。