「そんな質問か。鼻血がよく出るから、鼻水か鼻血か確認するために触っているうちに癖になった。この鞄は限定モノだったからだ。限定モノが大好きだ。子供みたいだろ」
「限定モノでもそんな派手な鞄は選びませんよ」
「派手?これは派手じゃない。この赤紫が真っ赤やピンクだったら派手だ。いや違う。原色はすべてが派手。原色に他の色が混ざると派手じゃなくなる。赤紫は原色じゃない」
 横に置いてあるその鞄を指差し、力説すると、
「先生、それ赤紫じゃなくてきっとレンガ色です。テラコッタ」
と、彼女は笑った。
「テラコッタ? 食べ物じゃdots
「先生、それはパンナコッタです。その顔でもやっぱりおじさんなんですか」