この女が二十七歳というのは嘘で、トキという魔法使いが、律子の気持ちをコントロールし、また俺の元に返したんじゃないだろうか。それはとても嬉しい反面、ひどく怖い。
 トキから与えられた危険な仕事を放棄し、律子と娘で山奥に逃げてしまうかもしれないし、離婚になった時のようにまたケンカをしたら暴力に訴えてしまうかもしれない。
 しかし、よく見ると隣に立っている女は、律子よりも乳房が大きく見えた。身長もいくぶん低く感じる。
 友哉は胸を撫で下ろした。
 そして、自分が銀座で購入したブルガリの指輪をしていた。ある店では慣れてないせいか選ぶ指輪を間違え、「恋人の方が一緒にいないとこれは売れません」と言われた。エンゲージリングのことだろうか。カップルばかりの店内で慌ててしまい、何を選んだのかも分からなかった。