と、不意に道徳的な疑問が脳裏をよぎった。それでも、少しは良いことがあってもいいじゃないか、と開き直ってしまう。
 病院に運び込まれた時の医師たちの大混乱によるそのショックと編集者がきただけで、他に誰も見舞いに来なかった絶望感。思い出したくもない。だから、楽しみたいし、そして、
line休みたい。
 友哉にとって良いこととは、美しい女と仲良くなることや親友を作ることなのかもしれなかった。友哉自身、それがわからなかった。今は、ただ、ゆっくりしたいだけだった。なのに、トキが現われて、それが無理になった。しかし足は動くようになっていて、人生の方向性が定まらない。