「架空じゃないんだ。海外にいるササキトキさんから頼まれた。いや、譲られた。だから凍結とかすんなよ。そこの狸の置物、おまえもだ。今すぐ一億円を俺の車に持っていって、宮脇さんに渡しておけ」と富澤社長にも毒づく。
「わ、分かりました」
 富澤が手を震わせながら、内線の電話を回した。
「血まみれのワルシャワの街に比べて、ここはまるで美術館みたいに静かだ。観葉植物まである。銃声も聞こえない。亡くなった人の悲鳴も」