「死ぬ間際の九十三歳か。トキのあの爽やかな語り口に騙されたのかも知れないなあ」
 友哉は苦笑していたが、一兆円近くある資産の一部をもらうことに罪悪感はそれほどなかった。
 女は結局、仕事のために必要なものだと判明したし、あんなに凶悪な国際的テロリストを殺したら、すでに三百億円の価値がある、と自信過剰なほどに納得していた友哉は、成功報酬のそのお金をもらわないとだめだと改めて決意し、「どうせ、ないだろうな」と思いながらも銀行の駐車場から銀行の店内に向かった。