「たぶんね。ゆう子さん、今も東京のマンションでじっと待っているあなたの奥さんみたい。何も言ってこないし」
「うん、連絡はないな」
 リングをちらりと見る。ゆう子は、友哉が利恵と一緒の時は存在をわざと消している。正妻の姿勢に似ている。
「最初の日に、モンドクラッセのホテルで起きたら、枕元に五万円があって、もう一泊にしてあるってメモがあった。それを見て惚れちゃったんだ。大人のお金持ちはかっこいいなって、それだけよ」