「取材の旅行はしてるよ。彼女とはしてない。まあ、人は最後は孤独になるもんだ」
 目を少し伏せて言った。
「入院している時に誰も見舞いに来なかったから、そんなことを言うのね」
 友哉は急に笑みを浮かばせて、
「小さなことで意地は張らないで、あなた。それに編集者がやってきた」
と呟いた。「編集者」と口にしたところは離陸前の飛行機のエンジン音で利恵に聞こえていない。