ゆう子が声を上げたものだから、通路の反対側の客が驚いてゆう子たちを見た。通路側に座っていた友哉が目を開けて、乗客に頭を下げている。ビジネスクラスの安い席で三人が並んでいるのだ。その通路側に友哉がいた。隣がゆう子、窓側が利恵だ。女性客が「あ、奥原ゆう子だ」と小さな声で言っていた。
「そんなに冷たい態度でいると、わたしは降りるよ」