ゆう子が小学六年生の時に、一家は東京に出てきていた。
「お母さんはお父さんの仕事で東京にくることができたのに」
 ゆう子が首を傾げながらそう指摘すると、
「お父さんの手取り二十八万円がこの美貌と体と不釣り合いなのよ。あんたもそのうちに分かるって」
と言って、娘のゆう子を足から頭までを舐めるように見ていた。こんな話になると、目を気味悪く笑わせながらゆう子を見る。いつもの癖だった。