昼間とはいえ、店内はバーらしく暗かった。女性ボーカルのジャズが流れている。オリジナルとは違う『青い影』という名曲だった。
「利恵さん、わたしたち、世界征服を企んでいる秘密結社の人間なの」
 ゆう子のいつものくだらないジョークに、友哉は笑うこともできずに顔を下に向けた。
「ごめんなさいとか言ってて、それか」
 利恵が呆気にとられているのを見たゆう子は、AZを目の前に出してみせた。
「え?」