車に戻ってそう笑って言う。
 常に自分に気持ちを向けさせて、なんとしてでも離れなくするようにしたかった。
「そんなことしなくてもいいよ。銀行の制服でドライブしよう」
「それ、いつもやってるじゃない。もう厭きた」
 利恵が銀行の制服を着て、ポルシェに乗って首都高をドライブする。それだけだが、「枕営業をしている女と一緒にいるみたいで興奮する」と、友哉はドライブの度に利恵に銀行の制服を持って来させていた。