「北だけに背筋がぞくぞく」
「そう、まさに冬。部屋の外に小さな露天風呂があるの。大きい旅館で、その旅館の取材みたいな様子。で、そのまま宿泊してるんだ。外は猛吹雪。五階以上の部屋みたいで、友哉さんが、そのベランダから下を覗いて「海原が荒れ狂っている。吸い込まれそうな黒い海。あれは地獄に繋がっているのか。みたいなことを言ってるの」
「作家さん、らしいね」
「そうしたら、例の姉が、後ろから寄ってきて、一緒に死のうかって」