「未来の話は胡散臭いからいいよ。これ、友哉さんの最後の小説。あ、まだ引退してなくて休筆中ね。さっきの若妻の小説以外は、あんまりそんなドロドロとした親子の話や恋愛の小説はないけれど、これは味覚障害になる主婦の物語とか、まるで今の友哉さんと似てない男が主人公。確か映画化しているの」
と言った。ちらりとテレビ画面を見たが、テレビはついていない。