「新妻が浮気して、その男の精子を飲んだ後、帰宅して夫の手料理を食べたら味が分からなくなる。…すごい話でしょ。わたし、友哉さん、尊敬しちゃった。本物の作家だよ」
 利恵が唸るように言う。
「女が、芸術家や小説家に恋をしたら一巻の終わりだよ。よかった。利恵ちゃんはもうすぐ終わるね」
 ゆう子が含蓄のある言葉を作って、笑みを零した。
「どういう意味?」