利恵がそう言うと、ゆう子が小説の内容を話しだした。
「狭い町で悪い噂ばかりが目立っている若い新妻が大衆温泉施設で女たちに虐められるシーンで、夫が、おまえが睨み返すから悪循環になる。笑顔を返せ。気持ち悪いって言われたら、はいそうですって言えって、女子風呂から出てきた新妻を叱るんだ。新妻が反論しようとしたらさっと抱きしめて、かわいいって褒めるんだよね。すると、目付きが悪かった新妻が子供みたいに笑うんだ。しかも周りにいる人たちが大胆な夫の行動にびっくりしてね。物語上は、罵声を浴びてるけど二人には聞こえなくなっているんだ。うーん、純愛文学」