「わたしが彼を作家先生だと知ったのは、ロスアンゼルスで」
「あ、そっか」
なぜかゆう子が頭をかいた。利恵が妙に真剣になったから場を和ませようと懸命だ。
「今から覚悟してもいいよ。彼に女がいなければ」
と言って、ゆう子を見た。利恵は怒ったのではなく、友哉に興奮したのだ。目の前にいなくても、ゆう子がさかんに彼の本質を話したからだった。
「あわわわ。とりあえず、わたしのことは置いておいて。トキさんからの依頼でやってきた秘書だから」
「そのトキさんって人が、本当に未来人かエリア51から来た人みたいだから許してるだけで、ゆう子さんが秋葉原からのレンタル彼女だったら、わたし、さっさといなくなってる」