利恵が苦笑いをしていると、ゆう子が、「なんのこと」と訊いてきた。
「わたし、寝取りをやることにしたんだ。一回五万円以上よ」
「寝取り? ああ、そうなの。まあ、いいんじゃない。文豪の作家なんかスワッピング、やっていただろうし、友哉さんの趣味なんだろうし、利恵ちゃんもそれに興味があるなら」
 ゆう子が当たり障りのない言葉を返したが、利恵には、ライバルかも知れない女のモラルに反した恋愛に無関心なその態度が、ゆう子の余裕に見えてしまう。