ゆう子は膝を軽く叩いて「さすが」と笑った。
「なんで無償奉仕をするんだ。当たり前だが俺は君を警戒している」
「一目惚れをしただけですよ」
 彼女は自分をよく知っていて、それは例えば、佐々木友哉の自伝的な映画を観てきたような感覚なのか。そしてこっちは彼女をまったく知らない。人気女優としては知っているが、まさに顔しか知らないのだ。
line地獄までも見てきた自分を海千山千の男だと自負していたが、まだまだ分からないことが起こるものだな。