「婚約するわけじゃないよ」
「分かってます。これかわいいですね。わたしブルガリの指輪や腕時計は好きです。先生の好みの服も持ってきたし、汚れていいようなジーンズも用意してあります。先生こそ、その赤いアウター、素敵だけど戦う時に目立ちますよ」
「ありがとう。これも赤ではない。ワイン色」
「そこにこだわりますね」
「そのタブレットや俺の拳銃はどこから現われて、どこに消えるか知っているか。トキは圧縮されるって言ってたけど、今、俺のあの銃はどこにあるんだ。持ってないよ」
「圧縮されて鞄の中や先生の体のどこかに隠れてるんです。裸の時は耳の中とか髪の毛の隙間。別の次元に行ったりしてません。人の目では見えないだけです」