「物だけは転送できないけど、これはできる。手荷物検査でチェックされて焦った。奥原ゆう子だから通された感じ。ドイツの空港ではトイレに捨てる。トキさんからもらった友哉さんとまったく同じ質量、熱量の玉です。これでわたしは転送の練習をしてあるのでご心配なく。トイレに転送するから取ってきてください」
 ゆう子がAZの転送ボタンに触れたから、友哉がトイレに行った。そこにはゆう子が手にしていた銀色のボールが転がっていて、表面に2の数字が浮かび上がっていた。
 席に戻った友哉が、「あった。この数字はさっきはなかったけど」と訊いた。
「友哉さんが回復するまで二秒って意味。転送の練習はホテルに着いてからにしましょうね」