「まあ、美人は調子に乗るから、たまにはお灸をすえないとだめだって」
「怒るといなくなるじゃないか」
「おまえ、そんなに女に弱いのか」
「弱くはない。いなくなるのがなんだか嫌でね。居場所が分かればいいんだが…」
 茶褐色の甘辛のタレが肉から零れ落ちるほどのもも肉の串焼きを口に突っ込んだ桜井が、
「居場所ねえ。なあ、なんで三百億円もあって一本百円の焼き鳥屋なんだよ」