誰もいなくなったら、今度は場違いな音楽が気になる。演歌だった。誰か店の隅でカラオケをやっているようだ。
「キャバクラの何か楽しいんだ」
「独身男の唯一の楽しみだ。おまえに金をもらってから、楽しさ倍増だよ」
「だから何か楽しいんだ?」
「若い女が楽しい」
「あんなの金のことしか頭にないパーじゃないか」
 そんなことを言ったのに、お金を欲しがった宮脇利恵を思い出した。