テレビ局の廊下だったが、涼子は人目を気にしながら、
「いいけど、場所によるかな。見つからないところ」
「大丈夫。いっぱい知ってるよ。八時でいい?」
 彼はあらかじめ用意してあった店の名前を書いたメモを涼子に渡した。すぐに涼子から離れて、足早に去っていった。涼子の事務所はそれなりにタレント揃いだが、奥原ゆう子のところほど老舗ではなく、事務所に力がないため俳優や男性アイドルから誘われるのはよくあった。