「すみません。今日は銀座に行ってくれませんか。そこからは電車で帰ります」
 運転手は涼子の事務所の運転手で涼子の運転手ではなく、たまたま空いていた初老の運転手に恐縮して言う。
 店は六本木かと思ったら銀座の高級ホテルの店だった。モンドクラッセ東京。
「いきなりホテルか。部屋には絶対に行かないぞ」
 ちょっと苦笑いをして、スマホの着信を見た。
「あ、晴香だ」