利恵が大きな声を出した。大きな声と言っても、利恵にしてみればである。
「だからその服は何よ!思い出の洋服で大人を誘惑して、若い男と二股でも狙ってるのか」
「利恵ちゃん、手、手!」
 ゆう子が、利恵の手を指さした。利恵は包丁を握ったまま、リビングに入ってきていた。
「友哉先生に見てもらおうと思って。二股なんかしません」
 言い返す気力もないのか、力なく呟く。少し、様子がおかしすぎると思ったゆう子が、
「体調が悪いの?」
と優しく声をかけた。