友哉が横目で玄関の方を見ると、老人も視線を玄関に投じ、
「はい。申し訳ありません」
と老人が深々と頭を下げる。まるで、友哉が王様で老人がその執事のようだ。
「一秒もかかったのか。妙な現れ方をしたら一撃だぞ」
「はい。気を付けます」
 利恵がパニックになっているのか、ゆう子ではなく肩を抱いている涼子に、「友哉さんって何者?」と訊いている。涼子が震えながら無言で左右に首を振った。