ゆう子に水を向けると、ゆう子が思わず頷いた。
「友哉様、脳が復調してきましたね。良かった」
 友哉が頭痛を嫌がるように頭を左右に振っている間に、老人の話が始まった。
「リングの話は複雑なので、皆さんは後でこのお美しい天才女優に聞いてください」
 初老の男がゆう子に手を向けた。ゆう子は虚を突かれたのか、きょとんとした。
「その昔、涼子さんのお父上が、友哉様にある相談をされに行った。涼子さんを連れて」
「覚えてる」