「だとしたら初ね。ん? 性別も分からない。お店の端。テラス席の近くです」
 友哉がその方を見るが、ロシア人の顔立ちをした中年の男が一人座っていて、特に怪しい気配もなかった。ただ、暑い季節なのに黒色のジャンパーを着ている。何か隠しているのだろうかと思い、睨んでみるが、男は友哉に睨まれて、まさに首を傾げていただけだった。
「怪しい男じゃないよ。日本に来た外国人観光客みたいだ」