「俺に対してって言ったからよ」
 しばらくしてから、ポツリとそう漏らす。
「好きな男と別れたのか」
「男なんて、いっぱいいるからなー」
 棒読みのような男の子言葉を使った。調子に乗った時の彼女の口癖だった。
「ほら、嘘を吐いた」
 友哉がほんの少し笑みを浮かばせると、涼子は口を尖らせて、