ゆう子と涼子が罵りあっていないのを確認して、ほっとする。
 もうすぐ午後十一時。
 涼子は帰る気配を見せず、そもそもゆう子がタクシーを呼ぶこともしていない。
 どちらの写真集が売れたか、スマホで部数を調べている。ゆう子が一冊で十万部。松本涼子は三冊で十一万部。ゆう子が勝ち誇っているが、「奥原さんの次がまったく売れなかったら、わたしのはまだ新しいのが売れているから、負けません」と涼子が反撃している。