「先生、ノイズだらけってなんの皮肉ですか。奥原さん、名前に絶句しないでくださいよ。これでもそこそこ売れてます」
「そうか。知らなくてごめんなさい」
 ゆう子が部屋の奥に歩いて行ったのを見て、涼子は挨拶をしてから玄関に向かった。

 午前一時。友哉がエントランスまで涼子を送った。ゆう子は外に出たがらなかった。
 狭いエレベーターの中で、お互いの手に触れると、涼子は緊張感を露わにして友哉から離れた。そんな女の顔をしたまま、