「三十六歳になるが、私の時代では、女はあまりいない。それに片耳がない女性が多くてね。両耳がある女性の価値は格段と上がるんだ。数が少ないと価値が上がる。一点しかない絵画は数億円の価値が出る。この時代ではそうだろう。私の世界では美女に価値があるが、いやしかし通貨はない。そして私は恋愛は今はしていない。耳があるとかないとか、日本人じゃないとか移民とか。もううんざりなんだ」
「恋は休戦中ですか。また頑張ってね。若いんだから」
 ゆう子が屈託なく笑って言うと、彼は少しだけ苦笑いをしながら、また口を開いた。
「美しい女性にはきちんと恋人がいる。この時代でもそうだろう?」
と笑った。