「私の世界では、難なく治療ができる心の病だが、この時代にやってきた私には、もう力がないから、一時的な処置だ。私はこの時代に一回だけしかいられない。間もなく、私の時代に帰るので、今から要点だけをまとめて話すがいいか」
lineと言われてもdots
 ゆう子が無言でいると、その青年はゆう子の返事を待たずに口を開いた。
「君は今から三年後のある日に、その男に強烈な恋心を抱き、彼も君に惹かれる。それを少し早め、今日から好きになってもらいたい。きっと女優業を休む決心がつくはずだ」
 ゆう子は呆然として聞いていた。何か聞き返したくても、話についていけない。そして、優しい好青年に見えた彼は、よく見ると凛とした佇まいは崩しておらず、とても怜悧に見える。
 別の場所に視線を投げても、そう隙がないように見えた。愚痴は零しているが背中が丸まっているわけではなく、声にも震えがない。どこか気高くも見え、ゆう子は体を硬くした。
「もし、君が嫌だと言ったら彼のケアは次の恋人に頼むことになるが、それは私の本意ではない」
「次の恋人?」
「三年の間にその彼に恋人ができる。恋人になりそうな女も。その女たちに頼むのではあまり意味はない。いや、意味はなくはないがdots