彼の傍には必ず少女が二人いる。娘の姉妹のようだった。二人とも、彼にべったりとくっついていて、小学生の低学年ほどの娘が、「お父さんと結婚する」というと、負けずに十四か十五歳くらいの姉も「結婚するのはわたし」と、はにかんで言っていて、妹は中学生の姉には勝てないと思ったのか、いつもやきもちをやいている。その後、三人で温泉などに行くようになり、彼が仕事を旅館にまで持ち込んでいる時は、姉がお茶を淹れたり熱心に肩をもんだりしていた。彼が唯一、無邪気に笑っているシーンは、その姉妹と一緒にいる時だった。温泉宿にはもう一人、大人の男性がたまにいるが、別の日にホテルのロビーでもいる。打ち合わせをしているようで、仕事の友人のようだった。そのホテルでも姉妹のどちらかが彼らの周りをウロウロしている。