「そうそう。恋人や娘を守るために始めたような気がしてきたが、そんなサバイバルな男はいないはず。記憶が混乱している。事故のせいかな」
「友哉様がボクシングを始めたのは、そのほっそりとした体形を維持するためで間違いはなくて、途中で目的に変化が出たのでしょう。よくあることです」
「ほう、よくあることか。きっかけがあれば、人は変わるからな。それで、なんで俺がボクシングをしていたのを知ってるんだ?」
 再び、目尻を釣り上げてトキを見た。