「便利すぎるモノは怖いから、これは返す。俺が発狂したらどうするんだ」
 トキがずいぶん年下に見えて、しかも彼は敬語。友哉はケガを治療してもらった恩を忘れ、上から見るような喋り方をしていた。
「今の台詞が理性の塊です」
「そもそもこのアールなんとかを敵が持っていたらどうするんだ。正義とは、自分のことだ。凶悪犯が持っても、その凶悪犯の正義は殺人だぞ。イデオロギーの話だ。この銃と同じ武器が世界中に散らばったらどうなるんだ」
 トキは少し辛そうな顔をして、
「戦争になりますね。あっという間に」
と声を落として言った。
「怖い。やっぱり返す」