まるで地下室に閉じ込められた王妃のよう。国王を裏切ったが、自らを戒める気はなく、国を脱出する手助けをしてくれた男と寝たことを後悔していない。しかし、その愛人は自分を亡国の国王の元に戻した。栄華を極めている自国の妻の元に帰るために。

line行かないで、友哉先生! あなた!

 学校の三階にある教室の窓から、愛してやまない男、佐々木友哉が見えた。河川敷の向こうの道を街に向かって歩いていて、大きな旅行鞄を持っていた。路肩に彼の愛車が停めてあり、車に乗り込む前に、学校の方を見た。