スマートフォンから声が聞こえた。日本語だ。
「訊かれて、はいはいと答えると思うか。いや、そんなことないか。その場に居合わせたただの警察官だ。それよりもこの人が辛そうだ。なんのクスリを飲ませた?」
『光だ。おまえには解けない。その見知らぬ男を心配しているのか。そんな優しい人柄ではなかろう』
「光か。おい、涼子と利恵と俺の名前を同時に出す男なんか、この世にいないんだ」