「そ、そうか。すまん。慌ただしくて渡すのを忘れた。でもあいつ、一億円持ってる」
 利恵が狙われていた様子もなく、だったら怒るほどでもないような気がして、頷いてしまう。
「美容とファッション、セックスのためにしか使うなって言われたって」
「へえ、そこは忠実に守ってるんだ」
「それに、友哉さんが大ピンチになってわたしがそれに気づかないと、AZは自動的に真っ赤に光るらしいからね。わりと、わたしは自由にできるんだ」