「そうらしいな。部屋にこもってないで、利恵と遊びにも行けよ」
 愛車のポルシェが目の前にやってきて、中からバレーサービスの係りのホテルマンが降りてきた。鍵を渡された友哉は、「おい、トキの仲間。まだ聞いてるか」と車に乗り込みながら口にした。
「おまえが口を慎め。俺は嫌々やっているんだ。三百億円もいらない。トキはきっといい奴だが、その部下が俺を愚弄するなら俺は降りる」
 ポルシェのドアを怒りに任せて閉めたところで、リングを介して言葉が頭に入ってきた。