彼は友哉から目を逸らすことはなかったが、その目は瞬きもできずに、友哉を見ていることしか出来ない様子で、指先はなぜだか震えていた。
「まあ、いい。勉強したいようだから教えよう。その恋人と一緒に出掛ける時はこうだ。東京都と神奈川県は違う。分かるか」
「よく分かりません。具体的に」
「ここは砂漠じゃない。都会のAの場所とBの場所では人間は変わらなければいけない。利恵の色気にフラフラしたが、だが、部屋のドアを開けた瞬間に俺はまったく違う男に変わる。あれを見ろ」