「聞こえたのよ。一階に浴室を作ったのが失敗ね」
「行き先は太鼓がうるさい祭じゃない。霊園だ」
「いー」
 涼子が目を丸めた。
 車は府中へ向かった。友哉がスマホを取り出し、涼子の父、松本航に「涼子が勝手に車に乗り込んできたけど、僕は府中へ向かっている。夜、遅くなるかもしれない」と電話で教えた。
「分かりました。娘をよろしくお願いします」