墓石には、『佐々木友哉室 律子』と朱色で彫られてあった。
「そんなに驚くな。生前墓だ。朱色が生きている証し。まだ、死んだ日付はない。先にお墓を建てると長生きするって律子が言うから建てた」
「あなたのは?」
「隣に書く予定だったが、俺は秩父に別の土地を買ってある」
「秩父? なんで夫婦が別なの」