涼子は言われた通りに、数歩、友哉から離れた。次の瞬間、友哉の右足が鋭く唸って、律子の名前が彫ってあるその墓石を吹っ飛ばしてしまった。涼子が悲鳴をあげた。
「屈辱じゃないと思ってるのか。転落、隷従、自分の手でやれ。普通に怒ってる。女を殴らないだけだ。律子にはきっちりと謝罪をしてもらう。服を着ている時にだ」
「そ、そうね」
 口に両手をあてたまま、震える声を出しながら頷いた。